成分辞典
レチノール
概要
レチノールはビタミンAの一種で、肌に入ったあとレチナール、レチノイン酸へと段階的に変換されて働きます。変換を挟むぶん作用はおだやかになり、引き換えに刺激も抑えられる設計。光と酸素に弱いため、遮光容器・エアレス容器の製品が適します。
隣接成分との区別
成分 | 区分 | 位置づけ |
|---|---|---|
レチノール | 化粧品・医薬部外品 | 一般に流通。変換を経て働く |
レチナール | 化粧品 | レチノールより1段階進んだ形 |
レチノイン酸(トレチノイン) | 医薬品 | 医師の処方が必要。化粧品に配合不可 |
パルミチン酸レチノール | 化粧品 | エステル型。作用はおだやか |
エビデンス評価
主張 | 根拠 | グレード |
|---|---|---|
自然老化による細かいシワの改善(0.4%・24週) | Kafi 2007 | A |
コラーゲン産生への働きかけ | Mukherjee 2006(レビュー) | B |
キメ・毛穴の見え方の変化 | Zasada 2019 ほか | B〜C |
化粧品として言える範囲
医薬部外品の純粋レチノール配合品は「シワを改善する」。化粧品の枠では「乾燥による小ジワを目立たなくする」(効能評価試験済みの場合)まで。トレチノインは医薬品であり、市販の化粧品と同じ働きを期待する記述は禁止。
使用の目安
化粧品で0.1〜0.3%から開始し、慣れてから0.5〜1%。週2回・夜のみで始め、2〜4週ごとに頻度を上げます。乾いた肌に使用し、翌朝の日焼け止めをセットにします。実感の評価には12〜24週。
注意
- 妊娠中・授乳中は安全側に倒して使用を避け、主治医に相談
- AHA/BHA との同日併用、ベンゾイルペルオキシドとの同時使用は避ける
- ビタミンC誘導体とは時間帯を分ける(朝C・夜レチノール)
関連記事
- レチノールの始め方|濃度と頻度の目安・A反応への備え(
retinol-ingredient-guide)
出典
- Kafi R, et al. Arch Dermatol. 2007;143(5):606-612.
- Mukherjee S, et al. Clin Interv Aging. 2006;1(4):327-348.
- Zasada M, Budzisz E. Postepy Dermatol Alergol. 2019;36(4):392-397.
- Kong R, et al. J Cosmet Dermatol. 2016;15(1):49-57.